●アイヌの人たちの食文化
アイヌの人たちには、主食にあたるものはない。一汁一菜といえば、和食であれば汁物・おかず1品にご飯であるが、アイヌ料理では、そのまま汁物1品とおかず1品のことを指すそうだ。お米は日常食ではなく、儀式の際に大量に使われるお酒を作るための大切な材料として利用されていた。アイヌ語では、乾し魚をサッチェプ(satcep)、 煮込み汁をオハウ (ohaw)と呼ぶ。特に秋の鮭は当座の生食用以外にも、半年を生き抜くための保存食に加工された。
●サッチェプ(干し鮭)
アイヌ民族博物館では、季節によって湖畔での寒風干しの様子や、チセ内での薫煙の様子をみることができる。また、5月頃からは園内の売店で購入する事もできる。 サッチェプについては、10年ほど前から一般販売を開始。同館のカフェ「リムセ」で購入できるほか、通信販売も可能。例年夏〜秋ごろには完売するため、早めの購入がオススメだ。
●オハウ ohaw(煮込み汁)
獣肉や魚肉、山菜、野菜を鉄鍋で煮込んだ汁物。単なるスープに留まらず、鍋料理とも言えるほど具沢山の汁物で、「主食」が存在しない狩猟・漁労民族であるアイヌの食生活の中心を成す料理。