2007年7月に平取町の「アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の文化的景観」が北海道で初めて重要文化的景観(国文化財)に選定された。
二風谷地区では「アイヌ伝統を伝える山野と集落の景観」を特徴とする重要文化的景観にふれることができる。
~主な重要文化的景観~
●アイヌ文化を育む沙流川と森林景観
イオルの森は地域を支えてきた歴史的な背景を物語る森林景観。アイヌ文化の有用な植物を採取する里山的な場所として地域の人が守り育てている森林である。
●交流の文化を伝える歴史景観
スコットランド出身の医師・人類学者ニール・ゴードン・マンローによって1933年に新築された邸宅兼診療所。現在は旧マンロー邸(北海道大学大学院文学研究科・文学部二風谷研究室)として利用されており地域の人々との交流の記憶を受け継いでいる。
●伝統文化を伝える集落景観
二風谷は、アイヌの伝統が色濃く残る地域として知られている。平成20年以降、文化継承を目的として復元されたチセ(家)が9棟整備され、その維持と利活用が進められている。
●精神文化を支える自然景観
オプシヌプリ(穴が空く山)ウカエロシキ(通称熊の姿岩)などの伝説地はオキクルミカムイ(アイヌに生活の方法を教えたとされる文化神)が活躍した舞台として言い伝えられている。