例年8月中旬にアイヌ民族の伝統行事のひとつ「チプサンケ」が、平取町の沙流川・二風谷ダム下流に設けられる、舟おろし場で行われる。
チプサンケとはアイヌ語で舟おろしを意味し、古来から伝わる技法で造られた舟に魂を入れる儀式のことである。
文化の伝承を目的に平取アイヌ協会などでつくる実行委員会が主催し、町民と全国各地から訪れる観光客らが参加している。
乗船希望者は救命胴衣を着用し、4艘の木彫りの丸木舟に順次乗り込み、約2kmを下りのどかな舟旅を楽しむ。
本祭にはチプサンケのほかカムイノミ(神に祈る儀式)、古式舞踊、ユカラ(英雄叙事詩)の語りや木彫り体験が行われ、二風谷地区では前夜祭も催される。