鵡川の河口部には、国内でも貴重な干潟が形成されている。干潟は川が運んできた土砂と、海が運んできた土砂が、バランスを取りながら形成されるもの。
川が運んだ土砂は、ゴカイなどの生 物にもふさわしい環境で、さらにゴカイをエサとする渡り鳥たちの休息と採餌場となる。
しかし、海岸に人工構造物が造られると、海からの土砂がくい止められ、海と川との土砂供給のバランスが崩れ、海岸侵食が起こり、干潟はどんどん減少していくそうだ。
鵡川河口の海岸線は10数年前に比べて400mも後退している。鵡川河口部の干潟はまた、北極海沿岸からオーストラリアにかけての中継基地としてやって来る渡り鳥、シギやチドリの重要な飛来地にもなっている。
鵡川河口における干潟の減少をふまえて、地元の人々と意見交換を行い、鵡川河口部の保全のあり方について考えるため、1996年から「鵡川河口に関する懇談会」が設けられ、議論を開始した。
その後、懇談会による提案・提言・意見を具体的に実施する組織として、2000年8月29日に「わくわくワーク・むかわ」を発足させ、地域と協力して、自然学習、植樹会、野鳥・底生生物のモニタリングなど、様々な活動を展開している。