様似漁港を見下ろす標高約100mの小山・観音山につくられた展望台。
ここから海を眺めると、漁港を取り巻く大小様々な岩(塩釜のローソク岩・親子岩・ソビラ岩・エンルム岬)がほぼ東西へ一直線に並んでいるのが見える。
それらは約1700万年前に地面にできた割れ目にマグマが入り込み冷えて固まったもので、周りの軟らかい地層は、風や波で削り取られたが、マグマが冷えて固まった岩はとても固く、削られることなく残ったものである。
どこまでも広がる紺碧の太平洋。美しい日高沿岸のエンルム岬・奇岩・断崖の続く海岸線。
大自然が造形した自然美は息をのむほど美しい。
夕陽に染まる時間の色彩美は格別で、一度見たら忘れられない絶景が眼前に広がる。
東にそびえるのはアポイ岳、天気が良ければその向こうに襟裳岬を遠望することもできる。
●塩釜トンネルのローソク岩
かつての様似の西口ともいえるトンネルとその横の奇岩。塩釜の名は、近くに東蝦夷地で最初の製塩所があったことに由来する。アイヌの口碑では、巨神の落とした焼串がローソク岩で、トンネル背後の丘は彼が尻もちをついた跡であると伝えている。
●親子岩
まるで親子のように寄り添う3つの岩は、家族の絆を思い起こさせる。一方、その東方の漁港内にも大岩があり、ソビラ岩と呼ばれている。親子岩の名は、まるで家族が寄り添っているように見えるその姿から、アイヌの口碑では親子岩が弓矢によって砕かれた父親で、ソビラ岩が子どもを抱いた母親であると伝えている。