1970年に選定された室蘭八景は、市を代表する観光スポットである。室蘭ならではの海岸線を主にした景勝地はどれも素晴らしく、それぞれに歴史をもったものだ。
●黒百合咲く大黒島
絵鞆岬沖に浮かぶ小さな島。英国船「プロビデンス号」の水兵ハンス・オルソンが葬られていることから、海事関係者では「オルソン島」として世界的に知られ、島の上には1977年まで使っていた灯台が保存されている。その大黒島の夕景は、空と海一面を薄紫に染め、そこにうかぶ島とのコントラストは言葉を失うほどの美しさだ。
●絵鞆岬の景観
絵鞆半島の突端にあるこの岬は、晴天時は噴火湾を中心として昭和新山、羊蹄山を眺望できる景勝地。「絵鞆」の地名は「エンルム」から転化したもの。展望台から見る壮大なその景色は地元の人をはじめ観光客にも好評である。
●金屏風・銀屏風の断崖絶壁
金屏風は地球岬とトッカリショの間にある景勝地。約100mの直立した断崖が連なっており、赤褐色を帯びた崖面に朝日が射すと金の屏風を立て連ねたように見えることから、こう呼ばれるようになった。銀屏風はアイヌ語で「チヌイェピラ(彫刻のある崖)」と言われており、ハルカラモイと恵比寿島の間の崖一面をいう。この崖に夕日が射すと銀色に輝くことから銀屏風と呼ばれるようになった。
●マスイチ浜の外海展望
測量山観光道路沿いにあるマスイチ浜は入り組んだ岩や入江などの絶景をパノラマで眺望できる。晴天時には噴火湾を隔てて駒ケ岳まで見ることができ、展望台や少し奥の展望スペースからは噴火湾の海原が眺望できる。
●測量山の展望
測量山は、海抜約200メートルの山というよりは、小高い丘。テレビ、ラジオなど放送・通信のための鉄塔が建ち並ぶ周辺一帯は、野鳥の宝庫としても知られている。測量山からの景色は港を含めた工場地帯や住宅などが望める室蘭の代表的な景勝地のひとつ。
●地球岬の絶景
アイヌ語で「親である断崖」を意味する「ポロチケップ」が転じてついた名が地球岬。灯台は海面から120m余りの絶壁の上に立ち、海の目印として重要な役割を果たしている。室蘭の地球岬は「北海道の自然100選」や「新日本観光地百選」で1位に選ばれた景勝地。どこまでも続く雄大な水平線は地球が丸いことを感じさせてくれる。運が良ければイルカやクジラが見えることもあるようだ。
●トッカリショの奇勝
地球岬に程近いトッカリショは奇岩が重なり合う荒々しい景色が印象的な景勝地。浜に下りることもでき、見上げる大迫力も味わいたい。
●室蘭港の夜景
室蘭港を望む夜景は、白鳥大橋のライトアップ、眼下に見下ろす町の明かりや工場群の光などのコントラストが美しく、夜はカップルがよく訪れる。測量山電波塔のライトアップも市民の手で行なわれており、これぞ室蘭という素晴らしい景色を幻想的に演出している。