樽前ガローとは、両岸が絶壁になっている渓谷が、苔に覆われた全長1kmほどの岩壁をいう。
この樽前ガローは、1979年苫小牧市の自然環境保全地区に指定された樽前山麓の林間にある。
切り立った岩が特異な景観を見せており、岩肌には深緑の苔が張り付いていて、その姿はまるでビロードの絨毯のようだ。
木々に覆われ、直射日光のあまり届かないガローであるが、新緑の季節になる6月には、深い川底まで初夏の日差しが届くようになり、一年で最も美しい景観を見せてくれる。
樽前ガローの生息する苔の種類は、エビゴケ、オオホウキゴケなど60種類以上に上る。
この大岩にびっしり生えた苔は、長い年月を経てできた自然の造形美である。訪れた際には、触ったりキズつけたりしないよう、大切に守っていきたい情景である。
またヤマセミ、キセキレイなどの野鳥も見ることができる。
夏でもひんやりとした空気が流れる、まさに癒しのスポットである。