判官館とは新冠の市街地や新冠川の西に広がる高台の、海につ きでた岩壁のことである。決して館や館跡ではないのだが、判官 の名がつく通り、源義経の伝説がここにも存在する。およそ800 年の昔、源九朗判官義経が兄頼朝の迫害から逃れて蝦夷の地に亡 命し、この要害の地に館を築き身を安めたといわれ、義経に恋し たピリカメノコが両親の反対に世を儚みここから身を投じたとい う悲しい伝説がある。 また、1669年エゾの乱でシベチャリの英雄シャクシャインが 謀殺された悲哀の物語を残しているところでもあり、江戸時代の 末期には幕府の会所が置かれていたといわれている。 絶壁の高さは80m。西側が太平洋に面し、夕陽の名所となっ ている。絶壁の上の看板には「東北・北海道の中でも一番の名所」 とさえ書かれているのだ。広大な太平洋を前にした高所からの夕 陽の眺めは素晴らしく海岸に暮れ行く夕陽に癒されることだろ う。また絶壁の下からの眺めも良く巨大な絶壁の岩肌が夕陽を受 けて朱色に染まり、幻想的で壮大な景色を目の当たりにできる。